| 『天才伝説 横山やすし』(小林 信彦著・文春文庫) |
昨日『ごきブラ』見てたら、往年のやすしきよしの漫才をやってました。 たまに「懐かしの漫才」とかで見る機会があるのですが、やすきよの漫才は今でも新鮮で笑えますね。漫才ブームなんかのときにはすでに「できあがってる」感があって、坊やだった私にとっては安定勢力で物足りなかった印象があるのですが・・・。B&Bとかザ・ぼんちなんかのほうが「なんでこんなんが面白かったんやろ?」と今となっては思うのでしょうね。こちらはあまりお目にかかる機会はありませんけど。
で表題の本。BOOK OFFで105円だったので思わず購入。
横山やすし主演の映画『唐獅子株式会社』の原作者である著者がいかに「ふりまわされたか」。 その後晩年まで取材や関係者の声を集めて横山やすしの人となりを書いてます。
「虚勢の人」だったのは周知の事実で、弟子や友人の前で「その筋」の人にケンカをふっかけるも、表に出て「目」を気にしなくてよくなるとひたすら謝って許してもらっていたり、気にいらんヤツにはとことんつっかるも、心安い人には甘えたりと・・・。 昔ながらの芸人気質だったのでしょうな。
80年頃の漫才ブームは、「笑い」を変えてしまうくらいの威力があって、今から思えば「自分で自分のクビをしめた」ところもあったと思うのですよ。
横山やすしはビートたけしの存在がイヤだったそうですが、それが典型的。 あくまでも漫才という芸にこだわる横山やすしは、「お笑いは手段」となりつつあった風潮のなかで浮いてしまうわけですな。 たけしにせよ、紳助にせよ、さんまにしても今は漫才や落語はしませんもんね。
彼が引き起こす事件に寛容だった(ように思える)吉本興業もだんだんと冷たくなり、息子の木村一八の暴力事件にいたっては解雇となるのです。
亡き今でこそ「横山のやっさんは・・・」と笑いながら振り返る番組ができるのでしょうが、もし存命なら今のTV番組には出られないでしょうな。間違っても生番組は。「羊水が腐る」どころの話やないでしょう(笑)。私が思い出せるだけでも「あのシーンは今やったらアウト」っていうのが結構ありますもん。「時代」でしょうねえ。
そういえば、横山やすしの葬儀のときの西川きよしの弔辞を「なんかウソくさいねん」と親戚のおばさんが当時言っていたのを覚えていますが、大阪のおばちゃんはそのへん鋭いんやろか。「ウソくささ」の根元も書かれています。
選挙に出馬したのは横山やすしと距離をおくための最終手段。 そりゃ、事件のたびに代わりに謝ったり、出演機会を減らされたりではやってられませんわな。相方でさえもあまり関わりたくなかったのでしょうね。
私の中では「「ライト兄弟」なんか偉い人の名前をつけるもんとちゃう」と横山やすしに注意されたその後のダウンタウンが『ごっつええ感じ』で、リスペクトの欠片もない「やっさんネタ」をやって笑いを取っていたのが象徴的でした。 やすしきよしと今のお笑いでは全然質が違うし、やすきよの漫才が今でも新鮮なのは今のお笑いのレベルが低いからなのでしょう。若い女の子には受けるけど、それ以外にはそれほどでも・・・っていうのがメジャーですもんね。
ああ、こんなボヤキ入れるなんて、オヤジだなあ・・・・。
あ、そうそう、著者に、売れる前のやすしきよしを紹介したのは萩本欽一。 私が言うのもなんですが、欽ちゃんって凄いよねえ。
ってやっさんは・・・・?(笑)。
すごく面白い本でした。105円なんてラッキーやったなあ。
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