| 『サウスバウンド上・下』(奥田英朗著・角川文庫) |
「謝罪」というけど何に対する謝罪なんかようわからん。そらぁ内藤選手とボクシング関係者には謝らなアカンやろ。ヘンな騒動に巻きこんでもうて。だけどお前らに謝ることあれへんわな。今まで「ヘーコラ」して取材しとったんやん?息子の高慢チキな応対だって「パフォーマンス」と割り切っとったんと違うんか?それが手のひら返したようにギャーギャ抜かしやがって・・・。謝るか、そんなもん。お前らに何謝ることあるねん。ボケがっ。
といったとこでしょうか。亀田父はもうメディアに出ないほうがいいと思います。昨日も出なくてよかったと思う。試合前の言動も格闘技につきものの範囲でしょ。ゴキブリとかメンチとか。それが暴言、恐喝まがいになるわけだからもう「時代」が違うんでしょう。ご本人が一番懲りたのではないでしょうか。
で、『サウスバウンド』。ここに出てくる親父はもっとぶっ飛んでいます。学生運動の闘士のまま家庭を持った人。年金の督促にきた役人に議論をふっかけて追い出し、家庭訪問にきた担任に天皇制の意義を問い、息子の修学旅行の積立で、学校と旅行会社の癒着を紛糾する。「妥協」なんて言葉とは無関係なキャラです。
家族も慣れたもんで「ああ、お父さんまた・・・」て感じなんですけど自分の担任に絡んだり、学校で問題を起こされる息子の二郎としては「学校では勘弁してよう〜」と思い悩むわけです。最初は好意をもって接してくれた担任にも疎まれるようになって・・・。
闘士だった父に匿われるように居候をしていたアキラが事件を起こして東京から西表島へ移住。地元で「英雄視」されていた親父がここでも政治的なしがらみに巻き込まれて騒動を巻き起こすという話です。
息子の二郎が主人公になっていて、不良に目をつけられたり大人の世界の不条理に悩んだり、読んでいる自分と重なる部分が多くて感情移入しやすいです。ていうか「これって「昭和」の話とちがうん?」と思うくらいレトロな設定なので30代後半の人には入りやすいのではないでしょうか。
今どきの尺度からすれば訳のわからん父親のポリシーや言動で、「こんな父親だったらグレるなあ」と思いながら読んでいたけど、息子は息子で父親に対するシンパが強くなってきます。
なぜなら父親が「強い」から。いいとか悪いとかではなくて「強い」から。男の子は強いもん好きやからなあ。 父親として子供に試される時期ってもんがあるのでしょう。そのときの合格基準は「強いか弱いか」になるのでしょう。試していた子供たちも試される大人になっていくわけですな。なんか構えてしまうなあ。
父親役が豊川悦司、母親役が天海祐希で映画化。現在も公開中(かな?)。こちらも興味津々なのですが、話はだいぶカットされているそうですし、監督が森田芳光っていうことでちょっと萎えました。だって『模倣犯』ではずいぶんガッカリさせられましたから。私が今まで見た映画の中で一番最悪の部類に入ります。こちらも宮部みゆきの原作をだいぶ端折ってましたからね。単なる中居正広のPVだったし。試写会だったけど「金返せぇ〜」と思ったくらい(笑)。
話はもとに戻るけど、亀田興毅の「それでも世界一の親父やから」っていうのはようわかります。スジの通った親父なんでしょう。だけどそんな父親が少なくなりました。そしてまた一人表舞台から追放される羽目に・・・。世知辛い世の中ですなあ。
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